九州大学大学院総合理工学府・先端エネルギー理工学専攻
先端エネルギーシステム開発学講座・エネルギー化学工学教育分野
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片山研はエネルギー化学工学分野の教育と研究を行う九大のまじめな研究室です.
九州大学大学院総合理工学府・総合理工学専攻
プラズマ・量子理工学メジャー・エネルギー化学工学教育分野

核融合エネルギー


恒星のエネルギー
 夜空に輝く恒星のエネルギーは、核融合反応によるものです.原子核と原子核が衝突し、新たな原子核が生まれる際に放出される核融合エネルギーは、化学反応で放出されるエネルギーの100万倍にも及びます.地球に降り注ぐ太陽の光も、核融合反応により生み出されています。核融合反応を人工的にコントロールし、その莫大なエネルギーを電気や熱として取り出そうとするもの、それが核融合炉と呼ばれるものです.私たち人類が、永く豊かに平和的に暮らしていくために、私たちの子供の子供の、その子供の子供たちもずっと、科学の発展の恩恵を受けつつ、快適で楽しい生活が送れるよう世界各国で核融合炉の開発研究が進められています.
    
NASAのwebサイトより

核融合炉
 核融合反応には様々なものがありますが、現在開発が進められている核融合炉は、重水素と三重水素との核融合反応を利用するものです.三重水素は“トリチウム”とも呼ばれ、水素の放射性同位体です.三重水素は核融合反応で発生する中性子と、リチウムとの核変換反応を利用して、核融合炉プラント内で生産します.そのため、核融合エネルギーを得るための燃料資源は、海水中に豊富に存在する重水素とリチウムなります.エネルギー資源に乏しい一方、海に囲まれた日本にとって、核融合炉はとても魅力的なエネルギー源なのです.莫大な核融合エネルギーは、電気や熱、水素に変換して、多様な用途に利用することができ、私たちの生活をより豊かにするに違いありません.
 

ITER計画
 日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インドが協力して、核融合エネルギー利用の科学的・技術的実証を目的とした核融合実験炉ITERの建設が、フランス・カダラッシュで進んでいます.2025年にファーストプラズマを点火、2035年から本格的な核融合実験が始まります.これから科学研究者を目指す方にとって、魅力的な研究ターゲットではないでしょうか.是非、日本を代表する研究者となり、ITER計画を成功に導いてください!
 
ITER機構のwebサイトより

原型炉開発計画
 核融合実験炉であるITERの開発が国際協力によって進められている一方で、核融合原型炉の開発は、各国が独自の開発を進めています.昨今のカーボンニュートラルに対する社会的要請の強まりもあり、核融合開発競争の様相を呈しており、国策やベンチャー企業による取組が加速しています.我が国では、原型炉(JA-DEMO)の開発目標として、下記の3つを掲げています.
①数10万kWを超える定常かつ
安定した電気出力
②実用に供し得る稼働率
③燃料の自己充足性を同時に満たす
原型炉設計合同特別チームが立ち上がり、全日本的に取り組んでいる状況であり、本研究室の博士課程進学者には、③の目標を達成すべく研究所や企業にて原型炉開発に取り組んでもらいたいです.
 
原型炉研究開発ロードマップ



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